どうも、フリーランスエンジニアのりゅうけんです。ところでみなさん、やっぱり「タダより怖いものはない」って思いますか?
無料で受講できるプログラミングスクールには都市伝説があります。「無料スクールの就職サポートを受けてエンジニアになるとヒドイ労働環境に放り込まれる!」みたいな。
これ、嘘ですからね。明らかに無料スクールが風評被害にあってます。
今回は、有料無料問わず、10社以上のスクールを取材してきた僕が、これからスクールに通おうとしている人が抱えている以上の不安を、具体的根拠をもって払拭したいと思います。
無料プログラミングスクールの仕組み
その前にまず、プログラミングスクールがなぜ無料で運営できるのかについて説明します。
プログラミングスクールには、メンターへの報酬や、研修所の維持管理費などのコストがかかる上、就職サポートまで行うと、受講生のヒアリング、案件の調査、面談の調整など、工数がめちゃくちゃ増えます。
プログラミングスクールも事業者なので、ボランティア団体ではありません。では、受講料が無料なのにどのように収益化しているのかというと、「依頼元企業から紹介手数料を受け取っている」んです。
プログラミングスクールは、受講生を一から教育しスキルを蓄えさせ、一人前になったら依頼元に紹介するという、「養殖漁業」みたいなことをやってると思ってもらえればよいでしょう。
いま、ITエンジニアは圧倒的人手不足なので、転職市場では大きなお金が動きます。1人あたりの紹介報酬は年間数百万円に及ぶほど。これが、「無料プログラミングスクール」が成立する理由です。
SES契約はブラック企業への入り口?
さて、無料プログラミングスクール経由でIT企業に就職する場合、基本的にエンジニアは「SES契約」を結ぶことになります。
SESとは、システムエンジニアリング・サービスの略で、エンジニアは案件を受注する企業の正社員として雇用され、その後、依頼元企業に派遣され、それぞれのオフィスに常駐する形で勤務することになります。
「自社内開発」と比較すると、SESの客先常駐というワークスタイルはエンジニアにとって心理的負担も少なくはなく、また、給料も低くなる傾向にあります。
そのため、SES契約のエンジニアはブラック労働に従事させられやすく、IT土方などと揶揄されることもしばしば。これもあって、「無料プログラミングスクールでエンジニアになるとロクなことにならない」と言われたりするわけです。
ところが、実は有料のプログラミングスクールであっても、未経験からエンジニアになる場合、最初は大体SESなんですよ。何も「無料だからSESになる」というわけではないんです。なので、無料プログラミングスクールだけが目の敵にされるのはちょっとかわいそう。
自社内開発には高い技術力が必要?
無料スクールだろうが、有料スクールだろうが、未経験がいきなり3ヶ月やそこら勉強しただけで、サイバーエージェントのような大手WEB系企業の社員にはなれません。やはり、自社内開発ができる人はそれなりに高い技術力を持ってます。
だからこそ、未経験者は最初に下積み期間が必要なんです。これが現実。月給も25〜30万円からスタートし、そこで1年〜2年程度の現場経験を積むこと。
そうして、フリーランスとして通用する技術レベルに到達すれば、独立していっきに月収60万円以上を獲得することが可能です。熟練度がさらに上がれば年収1000万円も普通に狙えるでしょう。
ともかく、高収入、ワークスタイルの自由度の高さなど、ITエンジニアの旨味を吸い尽くすには、まずはSES契約を受け入れるのが近道なんです。言うても、せいぜい1〜2年我慢するだけの話ですからね。
また、「SESだから全部ブラック!」というわけではないし、いい現場に巡り合って楽しく仕事してるSESのエンジニアも僕もたくさん知っています。
さらに、未経験だから絶対に自社内開発に参画できないというわけでもなく、タイミングが良ければ、小規模ベンチャーなんかだと全然入れます。良い現場に参画できるかどうかは、スクールが無料か有料かというより、自分の「スキル」と「運」です。
有料、無料の違いとは?
では、実際に有料プログラミングスクールと、無料プログラミングスクールの違いは何なのかと言うと、単に経費を多くかけてるかどうかの違いにすぎません。
メンターを全員現役のフリーランスエンジニアを採用してたり、24時間のQAサポートを実施してたりすれば自ずと、受講料も高額になるでしょう。
逆に、高品質なサービスを提供しつつも、プログラミング教育や就職サポートをうまく自社のエンジニアを使って内製化することで無料を実現しているスクールもあります。
ここらへんはよくチェックしておいた方がよいでしょう。
まとめ:無料プログラミングスクールは全然アリ!
無料プログラミングスクールだからブラック企業にドナドナされるというわけではないということはご理解頂けましたでしょうか。無料でも有料でも、その他どのルートを辿っても、未経験者は最初はそれなりに頑張らないといけないということです。
だからと言って、未経験はみんな劣悪な労働環境にぶち込まれるわけではなく、上司にも恵まれてノーストレスな現場でスキルアップしていける人も全然います。
重要なのは、未経験の方は、変な現場に遭遇したら「秒で撤退する」ことだと思います。今、ITエンジニアには仕事なんていくらでもあります。だからこそ、肌に合わなければすぐにやめて、次の現場を探せばいいんです。
キャリアに傷なんてつかないし、自分がしっかり納得いく労働環境が見つかるまで、就職サポートを使い倒せば良いでしょう。
優秀な就職サポートが付帯しているプログラミングスクールはこちらにまとめておいてので、参考までに。▼