僕は過去にネットワークビジネスで100人超の組織を作ってたんですよ。やってた理由はまあ、若気の至りと変なプライド。収益としては一番良かった年でも月のアベレージ20万円程度しかなかったですけど。
ネットワークビジネスは稼げなくはないです。ただ、基本的に収益は労働に見合ってないし、強靭なメンタルとリーダーシップを持っている人間しか成功を掴むことはできません。この業界で言う「誰でもできる」は、「誰でも(製品を買うことが)できる」という意味です。まじで。
また、アップラインという名の親ねずみのタイトル達成に付き合わされて製品の購入を迫られることも多々あり、多くの場合、長くやればやるほど貧乏になります。
確かに営業力や企画力といった対人スキルは結果を出せば途轍もなく身につくので、修行と思ってやる分には良いんですが、支払う代償は大きいということは理解しておいた方が良いと思います。
さて、皆さん「あんなもの一体誰がやるんだ」って思うでしょ。ところが、実はカモられやすい人種というのが存在するんですよ。彼らが養分となりネットワークビジネスは成長し、新たな被害者を生み続けるといった構造があります。
というわけで、今回は騙されやすい人達の特徴をまとめてみました。少しでも当てはまる方は、ネットワークビジネスで修行でもする気がないのであれば勧誘には細心の注意を払うことをおすすめします。
目次
騙される人の特徴その1:自分の目で見たものしか信じない
「俺は自分の目で見たものしか信じない」みたいなやつが現れたら、勧誘する側は「しめた!」とか思うんですよね。彼らは逆に、自分の目で見たものであれば何でも信じてしまうから。
そもそも、「自分の目」って、人間の感覚器官の中で最も他人にコントロールされやすいところじゃないですか。例えば、貧乏なのにお金持ってる風に思わせたりもできるでしょ。タワマンでシェアハウスして、トムブラウンのシャツ一着買っとけばイチコロ。
それくらいじゃ騙されないぞとか思うかもしれないけど、沢山の人から同じ嘘をつかれると、だんだんそれが本当の事に思えてくるもんなんですよ。根回しという数の暴力ができるくらいにはネットワークビジネスのチームも統制されてます。
覚えておいて欲しいのは、「相手は事実を誇張している」という前提でやり取りした方がいいということです。
騙される人の特徴その2:他人に認められた経験が異常に少ない
例えば、親とうまくいってなかったとか、学校でいじめられてたとか、異性と付き合ったことがないみたいな人って、ネットワークビジネスに居場所を求めやすい傾向にあります。
ネットワークビジネスは他者を認めることが仕事なんです。あえて宗教的な表現をすると、相手に寄り添い、救いを与えることでコミュニティへの結びつきを担保するわけです。
悪く言えば、弱みにつけこんでいるとも言えるし、良く言えば、導いているとも言える。これは当事者が判断すべき部分で、その是非について第三者に語ることはできませんが、少なくとも、「コンプレックスはネットワークビジネスへの警戒を弱くしがち」ということは断言できます。
騙される人の特徴その3:ワンピース好きすぎ
「仲間と同じ夢を追いかける」みたいなワンピースとかEXILE的世界観が好きなマイルドヤンキーもネットワークビジネスにハマりがちです。
ネットワークビジネスを知ってる人の99%はアンチのため、従事者にとっては心折れるポイントが無数にあるんですが、それが逆に「逆境に立ち向かう俺たち」を演出していて、変にモチベーションになったりするんですよ。
「みんなで成功して海外で乾杯しようぜ!ウェーイ!」とか、僕は暑苦しくて嫌で仕方ありませんでしたが、そうしないと盛り上がってくれないので我慢してやってました。今はその反動で人と関わるのがしんどくなってます。
騙される人の特徴その4:根拠のない自信がある
根拠のない自信は大事なんですが、あまりに向こう見ずな人はカモられ続けます。
ネットワークビジネスって大体うまくいかないんですよ。力のない人だと、100人に声かけて1人もメンバー登録してくれないなんてざらにあるし、それでも日々ミーティングの参加費や製品の購入代で貯金は吹っ飛んでいきます。
普通にコスト計算できる人だと、今の自分の延長線上に成功がないことはわかるので撤退できるんですけど、たまに「続けてれば報われるだろう」と思考停止し、明るく元気にハツラツと永遠に貧乏やってる人がいます。
今うまくいってないのであれば、やり方を変えるかやめるかしかないんですが、根拠のない自信が強すぎると、やり方すら変えずただ淡々と続けることを選ぶんですよね。養分としては優秀です。
騙される人の特徴その5:みんなのために何かをしてあげたい
これは万事に共通して言えることですが、期限を決めて目標を追いかけるのってものすごく心理的負担が大きいんです。
ほとんどの人は自分のやるべきことから逃げ、結果、岐路に立たされます。コミュニティから離脱するか、コミュニティ内の他者のサポート役に回ることで自分の居場所を確保するか。
後腐れなくその場から去れる前者ならいいんですけど、ただのサポート役になってしまった後者は、自分自身は絶対に成功できないのに搾取はされ続けるという一番損な役回りを選ばされます。
他人をフォローすることで一時的に精神は満たされますが、彼らの生き方が資本主義社会において成立することは稀です。搾り尽くされてフェードアウトがオチ。
「他者貢献」は、それを飽くまで自己利益追求のための手段と捉えられるエゴイストにしか使いこなせません。
さいごに:搾取されるくらいならやらなければいい
正直、上記の条件に当てはまる人は、ネットワークだろうが、新興宗教だろうが、ブラック企業だろうが、どこに属していてもカモられる側に回ります。属すこと自体は否定しませんが、搾取されるくらいならやんない方がいいと思うんですよね。
自分のそのスタンスは最終的に自分を幸せにするのかどうかは、一度冷静になって考えてみると良いと思います。この記事読んで。