信用経済社会に見え隠れする「人格者信仰」に対する違和感について

「これからは人格者が勝つ」って、頭が良い風な人が言ってるのよく見るけど、あれ本当ですか?「人格者が評価される」をちゃんと根拠立てて説明できてる人って僕見たことないんですけども。

確かに、HIKAKIN氏はぐう聖だと思いますよ多分。だけど、彼以外のインフルエンサーで誠実で倫理観MAXな人間とかいるんですかね。ちょっとアレな人が多いと思うんですけど。僕も含めて。

今日は、信用経済社会の裏側に潜む、謎の「人格者信仰」の原因と、本当に評価される人間は一体どういう人物なのかについて考察してみました。

そもそも何故人格者が評価されると思うのか

そもそも何故、「人格者」にフォーカスが当たったのかというと、おそらく、情報の均質化が進んだ現代において、人間本来のあり方が再評価されたからだと思うんですよね。

皆さんご存知の通り、「その人しか持っていない情報」というのは限りなくゼロに近づいています。稼ぐ方法だって、ググれば大体のことは無料で手に入るようになったから。

だからこそ、「最終的に評価されるのは、持っている情報の質や量ではなく、本人の人柄ではないか」という論が台頭してくるわけです。これぞまさに「個人の時代」を象徴するかのような主張。

しかし、これって推論として一見妥当に見えるんですが、冒頭でも述べた通り、アレなインフルエンサーもいっぱいいるので、例外を含みすぎて納得感が全くないんですよ。というか、面白さに人柄とかあんまり関係なくないですか。

「人格者を評価すると自分も人格者っぽく見られる」というのも論の盛り上がりを後押ししてるのかなと邪推したり。

実際に評価されてる人間はエンターテイナー

結局、じゃあ実際にインターネットで評価される人間ってどんな人なのかというと、僕は「エンタメ力」のある人だと思っています。歌がうまいとか、ダンスがうまいとか、絵がうまいとか、トークが面白いとか。そういう人間としての根源的なスキルが高い人。

人格者であることもエンタメになるかもしれないけど、それは飽くまで要素の一つにすぎない。最終的には「総合的に面白いやつ」が勝ちます。

僕は「へきトラハウス」というYoutuber(グループ)が好きでよく視てるんですが、彼らはとことんゲスなんですよ。普通にファンを食い漁るし、それを動画でも公言しますw

だけど、チャンネル登録者数は100万人超え、オフ会やれば数千人集まるほどの愛されっぷり。彼らが仮にVALUやクラファンをやったとしたらとんでもなく稼ぐと思います。もちろん、実際に友達になりたいとは思わないですよ。だけど彼らはシンプルに面白い。だから好き。

「信用経済」という言葉が一人歩きしたせいか、人格者の元によりお金が集まりやすい社会になったと主張する人が後を絶ちませんが、実際はクズであろうがゲスであろうが、信用を獲得するのはエンタメ力のある人です。

ちなみに、ここで言う「信用」って、「安定的に質の高いエンタメを提供することに対する信用」のことですからね。一般社会で言う信用とはニュアンスが異なります。

さいごに:自分をさらけ出せる人が勝つ

人格者であろうとする「ぐう聖ブランディング」はいずれ自分の首を絞めます。何故なら、影響力が増せば遅かれ早かれ全て暴かれるから。

はじめしゃちょーだって、最初から「僕は性欲おばけです!」と言っておけば大して炎上しなかったでしょう。嘘の自分で影響力を獲得してしまうとリスキーなんです。期待値を上げすぎるとちょっとしたことで幻滅されるから。

これからの時代に勝ち残っていける人をあえて論じるならば、僕は「開き直れる人」だと思っています。自分の中のどす黒い部分をさらけ出す覚悟をした上で情報発信していくこと。彼らは無敵ですよ。期待させてない分、何やらかしても、「あいつならやりそうだわ。」の一言で片付きますからね。

ダークヒーローだって「信用」されるんですよ、面白ければ。それが信用経済もとい、個人の時代の本質じゃないですかね。

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