どうも、エンジニアのりゅうけん(@ryukke)です。
この記事では、派遣エンジニアとして2年半働いた経験のある僕が、「派遣社員エンジニア」という働き方のコスパの良さを伝えつつ、質の高い求人サービスを運営する派遣会社を網羅的に紹介します。
- 正社員より派遣社員を選ぶ理由
- おすすめの派遣会社TOP5
- 自分に合った派遣会社を選ぶための判断基準
僕は新卒で入社した大手IT企業を11ヶ月で辞めた後、派遣会社に登録して「時給制の派遣エンジニア」として2年半働きましたが、当時は親や周囲からは大反対を受けました。
だけど僕からすれば、手取り17万円4000円だった正社員時代と比べると断然給料は良いし、労働時間も短くなったので、「何がダメなの?」という感じでした。労働の満足度は圧倒的に、派遣>>>正社員だったので。
もちろん派遣でずっとやってくつもりはありませんでしたし、フリーランスエンジニアになるためのスキルアップ期間として派遣を選択したんですよね。
なので、これから「エンジニアとしてコスパよく働きたい」「フリーランスエンジニアになりたい」と考える方は必読です。派遣という選択肢が増えれば、エンジニアのキャリアの可能性もぐっと広がるはずですから。
やまもとりゅうけん(@ryukke)
WEB/ITコンサルのワンダフルワイフ株式会社代表取締役。
新卒で東証一部上場企業にプログラマーとして就職したのち、27歳でフリーランスエンジニアとして独立し、サイバーエージェント大阪支店等に勤務。
現在は日本最大規模の複業コミュニティ「人生逃げ切りサロン」を開設し、3年間で参加者5000名超まで拡大させる。
目次
派遣エンジニアの働き方についておさらい
派遣会社の正社員として雇用されて特定の企業へ派遣されるのが「常用型派遣」。
そして派遣会社からの紹介を受けて希望の就業先が見つかった時だけ雇用契約を結ぶのが「登録型派遣」です。
両者の働き方の違い
労働内容は両者で特に差はないですが、「常用型派遣」の方が、派遣会社と常時雇用契約を結ぶため、仕事の継続性は高くなります。
「登録型派遣」の場合は、派遣先との契約が終了すれば、次の案件にうまくスライドできなかった場合、即無職です。また、常用型派遣の方が給料は大きくなる傾向にあります。
フットワークの軽さを重視するなら登録型派遣
一見「常用型派遣の方が得じゃね?」と思うかもですが、辞めたい時に簡単に辞められるのは「登録型派遣」の方なので、あわよくば独立したいと考えていた僕は「登録型派遣」で就業していました。
だって、正社員ってなんだかんだで引き止められたりするでしょ。あれ、うざいですよね。。
僕はフットワークの軽さを何よりも重要視する派でしたが、特にどちらの形態でもかまわないと思います。
特徴 | こんな人におすすめ | |
常用型派遣 | 派遣会社の正社員として雇用され、特定の企業に派遣される | 仕事の継続性や給料の高さを重視する人 |
登録型派遣 | 派遣会社からの紹介を受けて希望の就業先が見つかった時だけ雇用契約を結ぶ | 辞めたいと思った時にすぐ辞めたい人 |
エンジニアが正社員より派遣社員を選ぶ4つの理由
その理由を説明していきますね。
- ワークライフバランスが最強
- 給料も悪くない
- 未経験者でも就業しやすい
- キャリアプランニングがしやすい
理由その1:ワークライフバランスが最強
派遣社員はいい感じに「責任」がないんですよ。正社員ほどの権限はもちろん付与されないので、そこまで組織に対するコミットが求められないという。だから無駄な残業をせずにすみます。僕も正社員の頃は、定時になっても誰も席を立たないので、荷物をまとめ出すと「え?もう帰るの?」という目で見られましたが、派遣社員になってからはそのような無言のプレッシャーは一切ありませんでした。(現場にもよるけど)
僕がいた現場では、プロパーの間で「派遣さんを残らすのも悪いな」という共通認識があったんですよね。残業代が欲しい派遣エンジニアは居残ってましたが、僕は自分の時間が何よりも大事なのでさっさと帰ってました。
それでいて、給料はアルバイトはおろか正社員時よりも良いもんだから必然的に満足度は高くなりますよね。
理由その2:20代なら給料も相対的に悪くない
20代なら正社員と派遣社員に給与の差はない
IT系の派遣社員の時給は上昇傾向にあり、2015年10月時点で、「2035円」をマークしています。これは月給にして、残業せずとも30万円弱程度の手取りを獲得できるレベルです。
派遣社員は年齢を重ねてもさほど時給は上がりませんが、逆に若くてもこれくらいの時給は獲得できるんですよ。
派遣社員も案外給料が良い
僕が派遣社員として就業してた2013年頃はIT系派遣社員の平均時給は1800円程度でしたが、僕は当時1850円で働いてました。月給は手取り25万円程度。SIerで正社員やってた頃は手取りは17万4000円だったので、派遣社員だった時の方が僕の場合は給料は良かったです。
なので20代のエンジニアなら、派遣社員の方が生活は楽かもしれないですね。30代以降になってくると正社員の給料の伸びが良くなってくるので、もし正社員を目指すなら、そこからでも良いかと。
理由その3:未経験者でも就業しやすい
派遣での就業はエージェントと依頼元企業の信頼関係の元に成り立ってます。簡単に言うと「コネ採用」なんですよ。採用面談と言っても実質顔合わせぐらいのことしかしません。
なので未経験だろうが、熱意さえあれば十分エンジニアとして現場に入れてもらえる可能性が高いです。よって、非IT業界の方がエンジニアを目指すなら、正社員より間口の広い派遣を選んだ方がイージーのは明白。
どうしても正社員になりたいなら正社員転職にこだわればいいですが、最終的にフリーランスエンジニアを目指すなら正社員を選ぶ理由はないので、派遣社員としてエンジニアになって1~2年で辞めて独立するのがベターだと思います。
理由その4:キャリアプランニングがしやすい
派遣社員は3ヶ月や半年といった短いスパンで案件を変えれるので、自分が身に付けたい技術を習得できる環境に身を置き続けられます。例えば大手の正社員だと、全く汎用性のない技術を身につけさせられたりしますよね。
「会社独自のモジュールの使い方」みたいな他所で全く通用しない技術を勉強してる暇があったら、一刻も早く転職活動した方がいいと僕は思います。
エンジニアは20代のうちに早く市場価値の高い存在になっとかないと後々しんどいんです。どんどん新しい技術にキャッチアップしていかないと「使えないおっさんエンジニア」になってしまいます。
純粋に技術者としてスキルアップを目指すなら、正社員というキャリア選択には無駄が多いのは事実。「無駄と思えることにも価値がある」と言うのは自由ですが、若い技術者はこのことをどう受け止めるかですよね。
エンジニアにおすすめの派遣会社TOP5
ちなみに全部登録無料なのでご安心ください。しつこい勧誘電話がかかってくるみたいなことも僕の場合はありませんでした。
No1. パーソルテクノロジースタッフ(旧:インテリジェンスの派遣)※登録必須!
2017年1月にテンプスタッフテクノロジー株式会社が、株式会社インテリジェンスのエンジニア派遣事業を吸収合併してできたサービス。
僕も派遣エンジニア時代ここを利用していました。
- 業界最大手の派遣会社を利用したい人
- 完全オンラインで派遣登録から仕事紹介まで済ますせたい人
業界最大手のIT系派遣会社
パーソルテクノロジースタッフは業界最大手なので、保有案件数が豊富です。例えばIT・Web・機電(機械/電気/電子)といったジャンルも幅広く網羅しているんですよね。
文系出身、プログラマー歴1年未満の僕に、「時給1850円・ほぼ残業なし」の案件を持ってきてくれた時は神かと思いましたね。
今だと相場はもうちょっと高いので、当時の僕のスキルでも時給2,000円くらいはいくかも。さらに、社会保険や福利厚生も、正社員レベルの保障を受けられます。
派遣登録〜仕事紹介がオンラインで完結する!
現在はWeb上で派遣登録を完了させるだけで、仕事の紹介を受けられます。転職活動のほとんどが在宅でできてしまう時代。
また、20代限定で、「U-29」という研修プログラムがあるそうです。学習から就業までをワンストップでやれる規模感の会社は、他になかなかありません。
案件を選ぶ際に注意するべきこと
なお、スキルアップしたいなら「情シス案件」は選ばないようにしましょう。これはIT総務みたいな役職になるので、コーディングに関われないことがあります。パーソルテクノロジースタッフは案件豊富な分、こういう案件も抱えてるので、提案されたらしっかり断りましょう。
あと、アカウント登録後、マイページ上から保有スキルや希望条件などの項目を入力しないと案件の紹介を受けれらないです。ここは忘れずに登録後すぐにやっておきましょう。
僕がパーソルテクノロジースタッフを利用して、派遣エンジニアになった経緯はこちら▼
- 業界最大手の派遣会社
- Web上で派遣登録を済ませられる
- 20代限定の研修プログラムもある
No2. Modis(モディス)
ここはスイスの大手人材派遣会社「アデコグループ」が運営するIT、エンジニア特化の派遣サービス。「無期雇用型派遣」「有期雇用型派遣」といった2つの雇用形態に応じたサービスが提供されていて、自分の希望する条件に沿った雇用形態を自由に選べるところがいいですね!
- 自分に合った雇用形態を選びたい人
- 無料でスクールの研修や就業サポートを受けたい人
自分に合った雇用形態を選べる
Modisは比較的自由なワークスタイルを選べます。例えば、将来フリーランスを目指すなら働く場所や時間を自由に選べる「有期雇用型」を選べば良いし、雇用を安定させる方が優先なら、アデコの正社員になって働ける「無期雇用型」を選べば良いでしょう。
また、未経験の人なら実際の現場に入る前に「Modis Engineer Academy」というスクールで研修や就業サポートも“完全無料”で受けれます。
Modisなら最短2ヶ月で就業できる!
エンジニアになる為のプログラミングスクールだと受講するだけで数十万円はかかりますが、Modisのエンジニアスクールは無料でかつ最短2ヶ月で就業できます。
あくまで派遣を「フリーランスへの踏み台」と捉えるなら、給料や派遣形態以上に“いかにスキルアップしていけるか”が重要ですが、グローバルに人材派遣サービスを展開してるアデコグループなら割と大手企業でも働けるそうだし、信頼性は高いと思いますね。
Modisについてもっと知りたい方はこちら▼
- 自分の考えるキャリアに沿って雇用形態を自由に選べる
- 研修や就業サポートもスクールで完全無料で学べる
No3. テクノウェイブ
- 交通費の支給が欲しい人
- 実質のマージン率をなるべく抑えたい人
テクノウェイブは交通費が保証される部分が最大の特徴です。派遣エンジニアは基本交通費出ないんですが、テクノウェイブなら交通費を非課税で全額支給されるので、かなり助かります。一般的なエージェントより給料が1万〜2万円ほど高くなる感じと思えばいいでしょう。
平均マージン率も交通費の支給を考慮すると、実質23.6%程度とかなり安い部類です。
また、テクノウェイブでは派遣登録者限定で、無料オンライン学習サポートが受けられます。動画によるリアルタイムサポート、チャットによる非同期での質疑応答にも対応。未経験からでもITエンジニアを目指せる環境が整備されています。
No4. ソフトウェアジョブズ
ここはテスト・評価・開発案件に特化した少し珍しいエージェントですね。
テストなどからシステムの全体像を把握し、開発、設計へとステップアップしていくのは自然な流れなので、上流工程に携わっていきたいのであれば一度チェックしておきましょう。
高報酬案件も多数取り扱っており、累計エンジニア登録者数は5000人超え。さらに、報酬が振り込まれるのが月末締の15日後と業界最速基準。キャッシュフローも良くなります。
テストや評価の仕事自体はひたすら単純作業を繰り返す感じのものが多く、最初はスキルアップできてる感覚は薄いかもしれません。しかし、テスト実施者からテスト設計者を経て、プロマネなどのテスト管理者やスペシャリスト(テスト自動化など)、品質分析などを行う品質コンサルタント、PMOの一員として上流に参画するというキャリアアップも十分あるので、意外と道は開かれてるんですよね。
以上のことから、逆に、開発職からテスターに転向するケースも多いらしいです。今の仕事に手詰まり感のあるプログラマーなんかは一度チェックしてみてもいいかもしれませんね。
ソフトウェアジョブズについてもっと知りたい方はこちら▼
No5.リツアンSTC
そしてリツアンSTCの最大の魅力は、マージン率が業界最低水準(4年目で19.1%)であるところ。人員削減、オフィスの簡素化によって徹底的にエンジニアに還元しています。
さらに、現在関西在住エンジニア限定のキャンペーンで、稼働開始1年後からマージンが月額固定65,000円になるプランがあります。これはもうめちゃくちゃに破格です。フリーランス級の安さ。
他エージェントで稼働中のエンジニアなら、リツアンSTCに乗り換えるだけで収入が大幅にアップする可能性もあります。業界平均マージンが39.1%なので、下手すると2倍とか。
初めて派遣エンジニアになる人にとっては不向きかもしれませんが、「現場経験は多少あるけどフリーランスはもうちょっと様子見たい」くらいのレベル感の人や、「フリーランスからそろそろ腰を落ち着かせたいが収入は維持したい」というベテラン中年エンジニアの受け皿になると思います。
詳しくはこちらの記事を参考に▼
派遣会社はバランスよく登録しよう
いざ転職される方は、以上のエージェントをできれば全部登録しておくと無難ですが、全部だとさすがにメールがうざいと思うので、用途によって絞るのも手です。
どんな派遣会社に登録すれば良いのか
個人的には、案件数や社会保険、福利厚生、スキルアップフォローなどの特典の面で信頼できる「パーソルテクノロジースタッフ」は確実に押さえておきたいところ。案件数は若干少ないですが、交通費全額支給、低マージンという強力なオプションがついてる「テクノウェイブ」も登録しておけば盤石です。
テスター案件からPMOなど上流工程に進んでいきたい人は、「ソフトウェアジョブズ」を付け足すと良いでしょう。
さらに、未経験やプログラミングスクールを出たばかりなどではなく、ある程度の現場経験がある人は、フリーランスで収入を爆上げするか、リツアンSTCで正社員の派遣エンジニアとして高報酬を狙いにいくといいと思います。
少々裏技チックですが、エージェントに複数登録しておくと、エージェント間で競争が発生するので、頑張って案件探してきてくれるんですよ。経験上、少なくとも3つくらいは登録しておくと満足度の高い転職活動ができると思います。
派遣会社で稼働が開始するまでの流れ
稼働開始までの基本的な流れは、以下の通りです。派遣会社のスタッフが頑張ってくれるので、エンジニアの実質的な負担はほぼゼロです。
1 Webからエントリー
2 提出した職務経歴書や希望条件を元に、案件紹介を受ける
3 案件を選択する
4 依頼元との顔合わせ等を行う
5 参画が決定すれば稼働開始日を待つ
派遣の場合、面談はスムーズです。大体顔合わせ一回目で採用が決まるし、よっぽどじゃなければ落とされないと思います。清潔感のある格好で、明るく元気にしゃべりましょう。ほんとそれだけ。
さいごに:「派遣」は恥ではない
未だに、「派遣社員」というと、イメージがあまり良くないんですよ。年齢層の高い人達からすると、アルバイトと変わらないように見えるらしく、「とにかく正社員を目指せ」的な風潮が未だに残っています。
確かに、派遣社員の保証は正社員に比べて劣るし、一生派遣社員としての収入のみでやっていくにはリスクが大きいでしょう。しかし、次のキャリアを目指すための第一歩としてなら、「派遣エンジニア」は非常に効率的で合理的な選択だと思うんですよね。
今だと、非IT業界の人が、無料学習サービス等で技術の土台を身につけ、派遣エンジニアとして2年ほどキャリアを積んでからフリーランスに転身するというモデルも一般的になりつつあります。
フリーランスになれば圧倒的な高報酬が得られる上に、労働時間も自分でコントロールしやすくなります。下積みじゃないですけど、独立を見据えて、派遣という働き方をチョイスするのは合理的ではないでしょうか。
キャリアの入り口としての派遣エンジニアはかなり「アリ」です。「派遣」という選択もあるということをぜひ知っておいてもらいたいなと。