「なぜイマドキ新入社員は定時で即帰ってしまうのか」という記事が炎上してるらしいので、イマドキフリーランスエンジニアだった僕が、定時で帰ったら現場リーダーにネチネチ詰められて即辞めた話でもしようと思います。
あれは僕が27歳の頃。サーバやネットワークを触りはじめてまだ2年で、インフラエンジニアとしてのスキルはカスみたいなものでしたが、やってみればなんとかなるだろうという思いでフリーランスになりました。当時、スキルの幅を広げるため、短期の常駐型案件を渡り歩いていたのですが、ある時トンデモブラック企業にジョインすることになってしまったのです。
案件参画初日、「定時で帰宅する」が社会のスタンダードとして疑わなかった僕は、18時25分頃から徐々に荷物をまとめだし、18時30分ぴったりに会社を後にするわけです。
すると次の日、朝っぱらから、アプリチーム、インフラチームのリーダーに1時間みっちり詰められることになりますw
>> 「みんなが残って頑張ってる時に一人帰って責任感とかないの?」
>> 「よく今まで通用してきたね?」
>> 「責任のない仕事やりたいなら牛丼屋でアルバイトでもやれば?」
その直後、僕はイマドキのフリーランスエンジニアらしく担当の営業に「契約終了します。」と伝え、定時ダッシュし、松屋でビビン丼食べて帰ってやりました。結局その現場には計3日間いたのですが、今日はその一部始終についてふり返ろうと思います。
1日目:現場の空気は汚れきっていた
初日、室内に入った瞬間、どす黒いオーラが漂っているのがハッキリと目に見えましたw
それまでにも、納期が迫ってピリピリしている現場をいくつか見たことはあったのですが、それとは比にならないくらい酷かった。殆どのエンジニアからは生命力が感じられず、それとは対照的に、チームリーダー達がエンジニアに罵声を浴びせながら闊歩している環境。
僕が席に着くや否や、目線がどこに向いているのかわからない情シスのプロパーが僕のデスクにPCとマウスを持ってきて、まったくの無言でセットアップを開始。作業が完了すると、彼は僕の「ありがとうございます」も無視してそそくさと自分の席に戻って行きました。ああ、なんかヤバイとこ来てしまったなと思いました。
そして、プリンタとの接続設定などを行っていると、僕が所属するインフラチームのリーダーが遅れて到着。いかにも肝臓が悪そうな顔で、三日間お風呂に入ってなさそうなくらい髪がつややいでいる小太りの方でした。
外れくじ引いちまった感をめちゃくちゃアピられましたwまあ、どちらかというと僕が外れくじ引いてるわけですけど。
その日は、「もっとデキる人だと思ってたわ〜。」と隣でネチネチ言われ続けました。僕がスキル不足と思うなら面談の時にもっと確認しとけよと思いましたが、まあこの業界、スキルが低いやつは地位も低いので仕方ありません。メンタルが比較的強い僕はまだ全然我慢の範囲内だったので聞き流してました。
そして例のごとく、定時で帰宅。
2日目:めっちゃ詰められる
この日、事件は起こりました。インフラチームとアプリチームの早朝の打ち合わせのために前日僕が全身全霊で作った資料が各リーダーから鬼のダメ出しを食らったのです。
当時の僕は我ながら完璧な資料だと思ってたのですが、彼らから言わせると穴だらけのゴミ資料だったようです。これは僕のスキル不足が原因なので反省したのですが、あまりにもネチネチ言われるので、さすがの僕もだんだん腹が立ってきました。
さらに、僕が前日定時で帰宅したことをdisるモードに入り、とうとう僕の人格攻撃にまで発展したのです。もはや打ち合わせ終了から1時間が経過しており、これは僕に契約終了を決断させるのに十分な時間でした。
よく、「イマドキの若者は責任感がなくてすぐ辞める」と言われますが、僕はむしろ責任を感じるからこそ辞めたんですよね。
僕はこの環境では自分の本来のパフォーマンスをフルに発揮できないと思いました。その他社内のエンジニアはどうか知りませんが、僕にはネチネチしてるおっさんの遊び相手をしながら自分のタスクを十分にこなす自信がなかったのです。
僕はフリーランサーとして企業と業務委託契約を結んでおり、企業から最大限のパフォーマンスを発揮することを期待されています。なので、それに応えられるだけの成果を上げられないことがわかっていてその会社に居座り続けるのは非常に申し訳ない気持ちになります。
当時、エージェント会社に案件を紹介してもらっていたので、契約に関する交渉はエージェントの担当営業経由で行うことになっていました。僕がすぐに営業に契約終了の意をとなえたところ、先方と話し合い、数日以内には結論を出すとのことでした。
3日目:データセンターに一緒に行ったらネチネチ
3日目はサーバメンテナンス作業のため、クソリーダーと一緒にデータセンターに行きました。案の定、道中でもネチネチ言われ続けるわけです。相手にするのも面倒くさいので、へいへいと聞き流してると逆に火に油を注いでしまったようで、エスカレートしてきましたw
本当はもっと責められて辛そうな顔をすれば、相手も手を引くんでしょうが、僕は口撃されてもあまり感情的にならないので、そういう顔ができないんですよね。その日はただ言われることを淡々とこなしました。
そして、データセンターから直帰した頃、営業から電話があり、「契約終了の話がまとまりました。今日で契約終了となります。」との連絡を頂くことになります。
僕にとってこの3日館は良い社会勉強でした。エンジニアはスキルが低いと舐められるということも身にしみてわかったし、その経験があったからこそ、インフラエンジニアとしてどの現場でも通用するスキルを身につけようと思えるきっかけにもなりました。なので、クソリーダー達には感謝しております。ブログのネタにもなったし。
さいごに:いずれ外れくじは引く。その時にいかに素早い決断をするか
エンジニアでなくとも、転職や独立が当たり前のものとして浸透している現代では、いつか劣悪な労働環境に身を置くこともあるでしょう。
その時に、いかに素早くそこから去るかが重要です。多くの人はその決断があまりにも遅いために、ズルズルとその環境で時を過ごしている間に、ネチネチ上司にメンタルをすり減らされ病気になるのです。
上役が残業を当たり前とする文化をつくってしまっていたり、現場に無理な生産計画を課してしまっていたりと、明らかに「間違った体制」の組織は存在します。が、そこに文句を言ってしまうくらいなら、僕はさっさとその組織から抜けることを考えます。
僕の場合は、ブログなどに収入源を分散してリスクヘッジをしていますが、一般の方にも、日本には失業保険や生活保護といったセーフティネットがありますからね。病気になるくらいなら頼ればいいと思います。
ブラック企業なるものがこの世に存在する限り、労働者にとって最も重要なのは、撤退する勇気ですね。