ITフリーランス業界における東京と大阪の5つの相違点

東京と大阪では、IT業界を取り巻く環境は大きく異なります。僕は、フリーランスエンジニアとして、東京でも大阪でも活動した経験がありますが、それぞれの環境の違いは少なからず感じました。

今回は、「ITフリーランス業界における東京と大阪の5つの相違点」についてお話しようと思います。関西から関東、または関東から関西に活躍の場を移そうと考えられているエンジニアの方にとって少しでも参考になれば。

1. 技術の進展度

全体的なIT技術の高さについては、やはり東京が圧倒的です。本当に技術力の高い人って、Web系の大手広告企業や新進気鋭のITベンチャーに集結するんですが、これらの企業は大体東京にあるんですよ。

今でいうと、AIや機械学習やVR/MR、もしくはブロックチェーンなどの最新技術に関われる仕事があるのはほぼ東京のみと思っておいた方が良いと思います。大阪にもたまにあるんですけど。

インフラ系でも、Amazon Web Serviceのようなクラウドサービスを使った構築なども、ほぼ東京独占です。関西では、そのようなクラウド技術を扱う案件は一部のゲーム会社など以外ではほとんどありません。しかも、関西に本社があるゲーム会社って、ほとんどない。

東京で最先端の技術に触れてきたエンジニアにとっては、その技術を活かせる環境は大阪には少ないというのも事実です。逆に言えば、これからその技術を用いて大阪のIT業界を牽引できる可能性はありますが。

大阪のような田舎では、古いシステムのリプレースのタイミングで最新技術の導入を図るケースは増えてくると思います。基本、東京の二歩三歩遅れてその波がやってくる感じです。

2. 案件の多さ

案件の数ももちろん東京の方がべらぼうに多いです。僕の感覚で言うと、「東京:大阪=5:1」くらいじゃないですかね。転職エージェントさんには、「東京:大阪=10:1」だなんて言う人もいました。

なので、フリーランスとして活動するなら、東京の方が食いっぱぐれる可能性は断然低いです。なので、最初にフリーランスエンジニア目指すなら上京するのが一番合理的です。

大阪でフリーランス活動を行うのであれば、十分な貯金や他に収入源を持った状態でやるか、実家暮らしをするなど、最初は何らかの後ろ盾がある状態でチャレンジした方が無難でしょう。特に30代以降はより仕事が少なくなるので、より準備は必要です。

また、大阪で活動するならエージェントに登録しておくのは必須です。フリーランスエンジニア向けエージェントでは、以下の3社が最強だと思います。多数のIT企業と取引していて、登録しているエンジニアの大半は年収800万円以上という素晴らしい実績も残しています。

抜群の案件数を誇る業界トップ「レバテックフリーランス」▼

安定の業界最古参「PE-BANK」▼
いち早く大阪進出していた中堅エージェント「Geechs Job」▼

ちなみに、大阪にいながらにして、東京の案件をこなすといった「リモートワーク案件」も最近増えつつありますが、案件の絶対数はまだまだ少ないです。そこに絞って仕事を探していては、働き口は確保できないと思っておいてください。

3. クローズ性

東京と違い大阪は地域密着型です。また、市場規模も小さいため人材の良い評判も悪い評判も伝播しやすいです。なので、一度、悪評が立ってしまうと、その系列会社から二度と声がかからなくなるなんてこともしばしば。まあ、相当なことやらかさない限り大丈夫ですけどね。モラハラとか無断欠勤とか。

それもあってか、地方では、30代中盤くらいの技術が習熟していて、どこでもやれる自信を身につけた人からフリーランスになることが多いです。本当は20代の方が業界からは求められてたりするんですが、それが20代には伝わってない感じ。

一方、東京だととにかく案件数も企業数も多く、いくら失敗しても潰しが効くため、20代でも果敢にフリーランスにチャレンジしています。僕も東京で活動していた頃、とんでもないブラック案件に参画してしまい3日で辞めたんですが、その他にいくらでも参画できる案件はありましたし。

ちなみに、僕が大阪にUターンした時は、大阪では珍しい20代のフリーランスエンジニアでしたが、普通に通用しました。技術力は別にそこまで高くないです。

4. ギャグに対する理解

これって結構大事だと思うので言及しておきます。

関西から関東に移動した人なら皆感じると思いますが、東京ではギャグが通用しません。大阪では、ちょっとくらいミスしても「あ〜やってまいましたわ〜!いっや、すんません!ほんますんません!」と、ノリで帳消しにできたりするんですが(もちろん場合による)、東京ではそんなこと言うとまず「えっ、、」って顔されます。

これは、どんな仕事でもそうかもしれないですね。関西人の方が気質的にどこか心に余裕があるなと。飽くまで個人的な感想ですが。

とはいえ、仕事が切羽詰まってくると、いくら関西人でもみんな心に余裕がなくなってきます。フリーランスで働きやすい環境を探すなら、大企業で予算がいっぱい降りてる案件が好ましいですね。納期がゆるいですから。まあ、「余裕」は「金」で買えるということです。。

5. 報酬の差

大阪のフリーランス案件の報酬の相場は開発系インフラ系問わず、東京×0.8くらいかなと。また、労働時間も大阪の方が長くなる傾向にあります。清算幅の下限(≒月間の最低労働時間)は東京だと140hくらいが多いんですが、大阪だと現状160hがアベレージですね。

東京はやはりお金の集まる都市です。大阪に比べると遥かにバブリーなんですよ。これはエンジニアの働き方にも大きく影響します。

ちなみに、名古屋の相場は東京の×0.9くらい。大手自動車メーカーの経済圏ということもあって、大阪よりは金回りがいいようです。ただ、案件は業務系が多く、大企業特有の「お堅い感じ」もあったりします。

まとめ:フリーランスは東京有利。だけど今後は大阪も捨てたもんじゃない。

ぶっちゃけ、フリーランスエンジニアとして活動するなら、断然東京がおすすめです。東京だと最先端の技術も学べるし、報酬も大きいし、案件も沢山あるから。今東京に住んでるエンジニアは絶好のチャンスですよ。本当に。

現在、大阪含む地方でフリーランスエンジニアとして活動するなら、多少は営業力はあった方がいいですね。エージェントに頼らず、縁故でどんどん仕事を取りにったりできる人の方がやっていきやすいかなと。

とはいえ、大手エージェントの進出により、大阪でもエンジニアの仕事は増えており、東京のように高単価化、案件の多様化は進んでいます。将来的には、大阪も東京と遜色なくなるレベルに到達すると思います。

東京でフリーを経験したことのあるエンジニアであれば、大阪にUターンしても、十分活躍はできるでしょう。まずは自分のスキルならどれくらいの単価がつくか、エージェントに確認してもらうと良いと思います。

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