本記事では「未経験ITエンジニアの増加」というテーマで解説していきます。
ITエンジニアの人材不足の影響などがあり、未経験者歓迎の求人は数多くあります。ITエンジニアは他業種に比べて給与が高い傾向にあるため、転職を考えている方は多くいます。
そのため未経験のITエンジニアが増加して、転職が狭き門なっているのではと不安に感じている方は多いのではないでしょうか。
- 未経験ITエンジニア増えすぎと言われる理由
- 未経験ITエンジニアがぶつかる壁
- 未経験者がITエンジニアを目指す際に理解しておくべきポイント
- 未経験エンジニアの企業の選ぶポイント
- 未経験ITエンジニアのキャリア形成
未経験者がITエンジニアの転職を検討する際に理解しておくべきポイントをわかりやすく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
やまもとりゅうけん(@ryukke)
WEB/ITコンサルのワンダフルワイフ株式会社代表取締役。 新卒で東証一部上場企業にプログラマーとして就職したのち、27歳でフリーランスエンジニアとして独立し、サイバーエージェント大阪支店等に勤務。 現在は日本最大規模の複業コミュニティ「人生逃げ切りサロン」を開設し、3年間で参加者5000名超まで拡大させる。
目次
未経験ITエンジニアが増えても人材は不足している
未経験ITエンジニアが増えている一方で、人材の不足は依然として深刻な問題です。IT業界では、2030年には国内で約79万人ものIT人材が不足すると予測されています。
むしろ多くの企業が人材不足を補うために未経験者にも門戸を開いており、積極的に採用を行っています。特に、スキルを磨きながら成長していける環境を提供している企業が増えてきているのです。
そのため未経験であっても適切なスキルを身につけることで、ITエンジニアとしてのキャリアをスタートさせることは十分に可能です。学び続ける意欲があれば、今後のキャリアを築く上で大きなチャンスとなるでしょう。
未経験ITエンジニア増えすぎと言われる3つの理由
未経験のITエンジニアが増えている理由は、主に以下の3つが挙げられます。
- スキル学習の環境が整っている
- 国がエンジニア不足解消のための政策を打ち出している
- 未経験者歓迎の求人多くある
一つひとつ見ていきましょう。
1. スキル学習の環境が整っている
ITエンジニアを目指す人が増えている理由の一つは、プログラミングスクールの増加など学びやすい環境が整っていることです。
仕事をしながらでも隙間時間を利用して学べることが、多くの人々にとって大きな魅力となっています。
2. 国がエンジニア不足解消のための政策を打ち出している
政府はIT人材の不足に対応するため、「教育訓練給付制度」を拡充しています。この制度によりプログラミングスクールの受講料が還元されるようになり、未経験者が学びやすい環境が整えられました。
IT人材の育成を促進するための政府の取り組みは、今後も継続して行われることが予想されます。このような政策によって、ITエンジニアを目指す人々の裾野が広がり続けているのです。
3. 未経験者歓迎の求人多くある
IT業界では、人材不足を背景に多くの企業が未経験者歓迎の求人を出しています。未経験者歓迎の求人は、他業種からの参入を用意にしている大きな要因です。
未経験ITエンジニアがぶつかる3つの壁
ITエンジニアは未経験者にも広く門戸を開けていますが、キャリア形成は決して簡単ではありません。こちらでは、未経験者がぶつかる3つの壁について解説します。
- 高収入を得られるようになるまで時間がかかる
- 労働・教育環境が良くない会社も多い
- 転職後も学習を継続する必要がある
それぞれ詳しくみていきましょう。
1. 高収入を得られるようになるまで時間がかかる
未経験からITエンジニアとして高収入を得るには、時間と経験が必要です。まずスクールでの学習には少なくとも半年から一年程度の時間がかかります。さらに実際の仕事で経験を積み、一人前のエンジニアになるには、短くても3年程度の期間が必要です。
さらに実際に高収入を得ているのは、上流工程の設計やプロジェクトマネジメントを担う人々が多いです。これらの役割をこなせるようになるまでには、約10年程度の期間が必要なため、簡単に稼げるという文句は事実ではありません。
2. 労働・教育環境が良くない会社も多い
未経験者歓迎の求人を出している企業の中には、労働環境や教育環境が必ずしも良くない場合があります。例えば、人手不足のためにとにかく人を集めたいという企業は、労働条件が厳しく未経験者に十分なサポートを提供できないことがあります。
またSES(システムエンジニアリングサービス)企業では、クライアントの会社に常駐するため、サポートを受けにくい環境に置かれてしまいます。
このような状況に対応するためには、企業選びの際に労働環境や教育体制をしっかり確認することが大切です。適切な環境で働ける企業を見つけることが、キャリアの成功につながるでしょう。
3. 転職後も学習を継続する必要がある
プログラミングスクールで基礎的なスキルを学んだとしても、それだけで仕事ができるわけではありません。IT業界では技術の進化が早く、新しいスキルを習得し続けることが求められます。そのため、転職後も継続して学習を続けることが重要です。
特に、チームでの開発やプロジェクトを円滑に進めるためには、最新の技術を理解し、適用する能力が必要です。
未経験者がITエンジニアを目指す際に理解しておくべき4つのポイント
未経験者の方は、ITエンジニアを目指す前に以下の4点について最低限理解しておく必要があります。
- 求められるスキル
- 職種
- 需要の高いプログラミング言語
- 活かせる資格
一つひとつ見ていきましょう。
1. 求められるスキル
ITエンジニアは、単にプログラミングができるだけでは十分ではありません。技術的なスキルだけでなく、コミュニケーション能力や論理的思考力が求められます。
さらに、問題に直面したときには、論理的なアプローチで解決策を導き出すことが求められます。単純にパソコンの前に座って黙々と作業をするわけではないということろ理解しておきましょう。
2. 職種
ITエンジニアには様々な職種があり、求められるスキルが異なります。学習を始めるにあたっても、自身がどのような職種を目指すのか決めておかなければなりません。
分類 | 職種 |
開発エンジニア | ・アプリケーションエンジニア ・フロントエンドエンジニア ・組み込みエンジニア |
インフラエンジニア | ・ネットワークエンジニア ・セキュリティエンジニア ・AWSエンジニア ・GCPエンジニア ・Azureエンジニア ・データベースエンジニア |
プロジェクト管理 | ・プロジェクトマネージャー ・プロジェクトリーダー ・システムエンジニア・ブリッジSE |
その他エンジニア | ・セールスエンジニア ・ヘルプデスク ・データサイエンティスト ・社内SE |
3. 需要の高いプログラミング言語
プログラミング言語によって求人数やキャリア形成、さらには将来の年収も大きく変わってきます。プログラミング言語選びの際は、以下の表を参考にしてみてください。
分類 | 開発言語 |
案件の多い言語 | ・JAVA ・JavaScript ・PHP |
汎用性の高い言語 | ・C言語 ・Ruby |
学びやすい言語 | ・Python ・Swift |
4. 活かせる資格
ITエンジニアは、スキル重視であると言われます。しかし資格の取得は、自身のスキルを証明する方法として有効です。
以下の表を参考に、自身で活用できる資格がないか確認してみてください。
分類 | 資格名 |
初心者向け | ・ITパスポート ・基本情報技術者試験 |
国家資格 | ・システムアーキテクト試験 ・ネットワークスペシャリスト試験 ・データベーススペシャリスト試験 ・情報処理安全確保支援士試験 ・エンベデッドシステムスペシャリスト |
ベンダー資格 | ・オラクルマスター ・シスコ技術者認定プログラム ・Microsoft認定資格プログラム ・Google Cloud認定資格 ・AWS認定試験 |
ベンダーニュートラル資格 | ・ITIL® 4認定資格 ・公認情報システム監査人 ・CISSP |
未経験エンジニアが企業の選ぶポイント3選
未経験者にとって、企業選びは非常に重要です。適切な研修やサポートが得られない会社では、自身のスキルアップが望めないためです。
企業を選ぶポイントは、主に以下の3つが挙げられます。
- スキルやキャリアプランに合っているか
- 教育制度が充実しているか
- 適切な労働環境が提供されているか
会社選びの際の参考にしてみてください。
1. スキルやキャリアプランに合っているか
企業を選ぶ際には、自分のスキルやキャリアプランに合った企業を選ぶことが大切です。特に未経験者の場合、自分が習得したスキルを効果的に活かせる企業を選ぶことで、スムーズにキャリアをスタートできます。
将来のキャリアプランを明確に描き、それに合った企業を慎重に選ぶことが大切です。
2. 教育制度が充実しているか
未経験者が最初に働く企業では、教育制度の充実度が非常に重要です。適切なサポートがないと、現場での実践に戸惑い、成長が遅れてしまうことがあります。
具体的には研修期間や内容が求人に明記されている会社を選びましょう。研修について明記がない会社は、業務多忙などを理由に必要な教育機会を提供していない可能性が高いです。
3. 適切な労働環境が提供されているか
企業選びの際は、適切な労働環境が提供されているかどうか確認しましょう。特に未経験者にとっては、過度な労働時間やストレスの多い環境では、短期間で挫折する可能性が高くなります。
また「固定残業制」を採用している会社では、残業が常態化している可能性が高いです。
未経験からITエンジニアを目指すにはキャリア設計が大切
未経験からITエンジニアを目指す際には、まず自分がどのようなキャリアを築きたいかを明確にすることが重要です。キャリア設計がしっかりしていれば、必要なスキルを効率的に身につけ、それに応じた企業を選べます。
例えば、将来的にプロジェクトマネージャーを目指すのであれば、マネジメントスキルやプロジェクト管理の知識を身につける必要があります。一方で、専門的な技術を深めたい場合は、特定の技術に特化した企業で経験を積むのが良いでしょう。
未経験者であっても、将来のビジョンを持つことで、効率的にスキルを身につけ、理想のキャリアを実現することが可能です。
さいごに:ITエンジニア未経験者はスキル習得とキャリアプラン形成に注力しましょう
未経験からITエンジニアを目指す際には、スキル習得とキャリアプランの形成が成功の鍵となります。しかし未経験者の場合、IT業界の知識や経験がないため、自分一人でキャリアプランを検討することは困難でしょう。
テックステージでは受講生一人ひとりに合わせたキャリアプランを提案し、その実現に向けた具体的なスキルアップの方法を指導します。
テックステージでは、多くのプログラミングスクールが売りとしている「転職保証」は謳っていません。「転職保証」はスクールと提携している会社への就職斡旋であることが多く、一人ひとりのキャリア形成をサポートすることとはまったく違います。
転職は確かなスキルの取得と適切なキャリアプランが描けていれば自ずと成功します。そのために「テックステージ」では、受講生がどうなりたいのかを一緒に考えてサポートすることを重視しています。未経験者の方は「テックステージ」の活用をぜひ検討してみてください。